台湾語講座第6段。今回は台湾語で「飲む」の表現と台湾語の果物についてのご紹介。
台湾語
台湾語についての説明は台湾語講座の一番最初の投稿と以下の説明をご確認ください。
台湾には大きく分けて二種類の言語が広く話されている。公教育で使用される台湾華語 (中国語)と台湾語があり、違いはこんな感じ。
- 台湾華語 … 中国大陸でも一般的に話されている北京語(普通話)の台湾版。台湾では普通話のように舌を巻かず、「是 shi シュー」を「スー」と言ったり「什麼 shenme シャマ」を「サマ」と言ったり発音が違ったりするが基本的には北京語と同じ。中国大陸から台湾に来た当時の中華民国政府(国民党)が國語として公用語を設定したため。
- 台湾語 … 台湾対岸の福建省で話されている閩南語の台湾方言。17世紀頃から台湾に渡ってきた福建の人たちが台湾で生活を始め、「台湾語」として定着した正式な文字がない言語。戦前日本が台湾にいたときも戦後の国民党政府になってからも家庭で話される言語として使用されている (戦後の国民党の政策から台湾語を話すと処罰された時期があったと聞いた)。
閩南語話者は福建に祖先を持つマレーシアの華僑(華人)の間で今でも話されており、台湾人の妻が以前マレーシアに行った時に現地の村で台湾語が通じたと言っていた。
台湾人の家庭では親世代、祖父母世代では台湾語が日常的に話されていて、子供が生まれて育てていると知らない間に母国語として台湾語が話せるようになっているという。
※ このブログで紹介している台湾語は台中人の台湾語です。公用語としてではなく主に家庭やコミュニティ内で話されている台湾語は地域によって発音や表現が異なる場合があるのでご注意を。
台湾語で「飲む」表現
日常生活に必要な台湾語の表現を一つずつ取り上げていくことにしました。
今回は「飲む」。中国語では「喝 he」なのだが、台湾語では「リン」になる。
下の表記の順番は「日本語」台湾語 = 中国 の順番です。
カバーしているフレーズや単語は以下。
-
- 水
- 酒
- お酒飲みたくないです
- お酒を飲むのは好きじゃない
- スープを飲みたい
- お水飲みたい
- お酒飲みたい
- 水飲むだけ、水飲めば大丈夫
- マンゴー
- ドリアン
- パイナップル
- ぶどう
- グァバ
- スイカ
- もも
- バナナ
- みかん
「水」ズイ = 水 (shui)
台湾語でお水は「ズイ」
「酒」ジウ = 酒 (jiu)
お酒は台湾語で「ジウ」響きがちょっとかわいい。
「お酒飲みたくないです」ワボシュベリンジウ = 我不想喝酒
「ワ」が「我」で、「ボ」が「不」で、「シュ」が「想」で「リン」が「喝」だと「ベ」はなんなんだ? ….ということを聞くと「意味なんてない。そういうもんなの」と言われたので文法的にどんな意味なのかはわからずじまい。
「お酒を飲むのは好きじゃない」ワボガイリンジウ = 我不喜歡喝酒
「ガイ」は台湾語で「好き」という意味。
「好き」の表現についてはこちらも合わせてどうぞ。
「スープを飲みたい」ワシュメイリンタン = 我想要喝湯
「シュメイ」は台湾語で「〜したい」の意味。
スープは「湯」で、これは中文と同じ “tang” の発音。
「お水飲みたい」ワシュメイリンズイ = 我想要喝水
「お水飲みたい」は台湾語で「ワシュメイリンズイ」。夏に台湾の田舎で文無しにになってさまよって水分が足りなくなっても、これさえ覚えておけば大丈夫。
「お酒飲みたい」ワシュメイリンジウ = 我想要喝酒
お酒飲むのが好きな台湾の上の世代の方々と席を一緒にする機会があればどうぞ。
「水飲むだけ、水飲めば大丈夫」ワリンズイディォホ = 我喝水就好
「好」は中文では「ハオ」だが、台湾語では「ホ」(カタカナで「ホ」と書いているが日本語では書き表せない発音)。中文の「喝 he」の発音と似ている。
台湾語の果物
台湾の魅力の一つ、新鮮な果物。台北以外の街に行き果物屋さんやフルーツジュースのスタンドでジュースを注文するときに覚えておくと役立ちます。
「マンゴー」スァイァ = 芒果
何回聞いてもカタカナでどう書けばいいのかわからなかったのですが、結局「スァイァ」に落ち着きました。あまりマンゴーっぽくない印象ですが、「スァイァ」はマンゴー。
「ドリアン」リウレン = 榴槤
むちゃくちゃ臭くてシンガポールなどの地下鉄は「ドリアン持ち込み禁止」の看板もあるドリアン。台湾語のドリアンの発音は中文の発音「榴槤」と似ている。
「パイナップル」オンライ = 鳳梨
これも自分の勝手な印象だがパイナップルっぽくない印象の発音「オンライ」。
「ぶどう」ブーダァ = 葡萄
葡萄の場合は台湾語も中文も日本語のぶどうの発音と似ている。
「グァバ」バラァ = 芭樂
日本では実の状態ではあまり見ることが少ないグァバ。台湾では夏前から道端や果物やで大量のグァバが売られていて、ジュース屋さんでもさっぱり甘いグァバジュースを飲むことができる。
「スイカ」シグェィ = 西瓜
広東語や客家語もこんな発音だったはず。日本語の「スイカ」も同じような発音なので、スイカはアジアでは昔中国のある地方にあったものが日本や周辺の地方にも広まったものなのだろうか。
「もも」ズイビタ = 水蜜桃
ももは中文で「水蜜桃」。「タ」の発音は日本語の「タ」の発音とは違うのでご注意。
「バナナ」ギムジャ = 香蕉
これもカタカナでどう表記するか迷いましたが「ギムジャ」にしました。これも台湾語と中文の発音が全く異なる。
「みかん」ガンマァ = 橘子
中文と台湾語、日本語によって
果物の名前の中には中文と台湾語両方の発音に近いものがあったり、スイカとかブドウとか日本語とも発音が近いものがある。その果物が流通した時期や分布地域によって呼称が大きく違ってくるのかな。
もともとどの地域でも収穫できた果物はそれぞれの異なった名前があり、特定の地域から収穫され貿易や種子の輸出で広がった果物は同じような発音の名前になったのかもしれない。普段口にする果物やその名前も言語と歴史を考えてみると面白い。
一緒に一つずつ覚えていきましょう。
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