電子書籍でさらっと気軽に読める書籍
最近は本当に便利になった。2007年に渡米した頃は日本語の電子書籍はほとんどなく、日本の本が読みたかったら日本から送ってもらうか高い配送料を払って日本のアマゾンから取り寄せるしかなかった。
2011年ごろから大きな画面のiPodが流通しだして、米国版キンドルも流行りだし、Kindle Fireの最初のバージョンがリリースされた。iOSやアンドロイドではアプリの体をした電子書籍が流行りだした。その後数年でスマホで本を読むことが普通になったから驚きだ。この世の中の流れと自分の米国留学時代が3-5年ずれていたらもっと便利で学べることも多かったのに。
海外生活の息抜きである必要はないんだけども、たまに日本の料理が食べたくなるみたいに漫画はどんなに日本から離れていても読みたくなるもの。中には結構前に連載開始した漫画もあるが、長い間継続的に読んでいて胸を張っておすすめできる、おそらく万人にウケるであろう(ウケてほしい)漫画を紹介したい。
AIの遺電子
本当に科学的に定義されている「AI」が実用化され、攻殻機動隊にあるような電脳や取替可能な人体パーツやヒューマノイドの世界を現実の世界に落とし込み、実際の生活にAIやヒューマノイドが絡んでくると起こりうる問題をリアルに描いている作品。
登場する人物の心理描写が上手く、自動運転技術を使った自動車などAI社会に少しずつ近づいていく現代の社会に生きる人達のちょっと先を行き、「AIが完璧に実現された社会はこんな社会だよ。正義と悪など二元的な考え方では解決できない問題がたくさんある。AIやヒューマノイドなどといっても大事なのは心だ」ということを読者に語りかけてくれているかのうよう。
社会のシステムや親子関係、友人関係、男女関係など、「将来こうなりそう」という社会を想像させてくれるのがこのAIの遺電子という漫画。AIやロボットなどに興味がない人でも読む価値は十分にある。
ちなみに台湾だとこの漫画の名前は「AI的遺電子」
AIの遺電子 RED QUEEN
AIの遺電子の続編がこの Red Queen編。AIの遺電子が一話ずつのショートストーリーの詰め合わせで、高度技術化された社会に生きる人々の生活の些細な悩みや苦しみや喜びに焦点を当てていたが、Red Queen編はAIの遺電子の主人公的存在だった「須藤」という医者が人格をコピーされた母親を探して旅をするうちにAI社会の陰謀に関わっていく話。
ストーリー展開は少し遅く感じるときがあるが話が進む時は急展開でぐわっと進む緩急がよい。AIの遺電子は漫画化、アニメ化、映画化全ての大きな可能性を秘めていると個人的に感じている漫画。毎回Kindleで新刊が出るたびに購入してます。
ダンジョン飯
新刊を密かに楽しみにしているのがこのダンジョン飯。ドラクエやダンジョン系RPGで遊んで小学生時代を過ごし30代になった今RPGに割く時間がない今、漫画でサクッとRPG世界に入り込むことができる。
主人公が仲間と一緒にパーティを組んでダンジョンに挑んでいたが、妹が竜に食われつつある中妹の魔法によって、妹を残してダンジョンの外に逃れてしまう。金も何もない中仲間たちとダンジョンに住む魔物を美味しく料理して健康的にダンジョンの謎に挑んでいく話。
魔法や種族やダンジョンや登場人物のことなど世界観が作り込まれていて作者の作品への愛を感じながら安心して楽しく読める漫画。小さい頃自分でモンスター考えたり、ダンジョン考えたりしたなぁとちょっと懐かしい気持ちにもさせてくれる。
台湾だとこの漫画の名前は「迷宮飯」
九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子
このダンジョン飯の作者はSFショートストーリーの漫画をいくつか出していて、上の「竜のかわいい七つの子」はその中の一つ。
ちなみに去年この「竜のかわいい七つの子」の中文版と日本語版を一年前に購入して解読しながら読んだ。その他の短編集もKindleで買いました。
中文のタイトルは「龍可愛的七個孩子」
夢で見たあの子のために
三部けい氏の最近の漫画は読者を裏切らない本格サスペンス。幼い頃家族を襲撃され、親を殺した男に双子の弟がさらわれた兄が「弟と視覚や痛覚を共有できる」力とその仲間や行動力で弟を探し、幼い頃の真実や今起こっている事件の真実の核心にせまっていく物語。
謎解きやミステリーとして毎回の展開にはらはらしてページをめくるのが早まる。
公式の名前かどうかは確かではないが、中文名は「為了夢中見到的那孩子」
- 為了 … ~のために
- 夢中 … 夢の中で
- 見到 … 見た
- 的 … の (所有格)
- 那孩子 … あの子
僕だけがいない街
既にアニメ化し全9巻で完結した名作漫画「僕だけがいない街」
上記「夢で見たあの子のために」の前の作品。タイムリープとミステリー、殺人事件を良い割合で足した素晴らしい作品。過去の自分に戻れる不思議な力を持つ主人公が、小学生の頃に自分の身の回りで起こった殺人事件を未遂に防ごうとし、その結果自分に災いが降りかかるが、小学生の頃に対峙した犯人に大人になってまた挑むというもの。
自分がこういうアクションを起こした結果、物事が良くなる、悪くなる、と因果関係を考えながらちょっと頭が良くなったきになれる。
中文だとタイトルは「只有我不存在的城市」、わかりやすい。
- 只有我 … 自分だけ
- 不存在 … 存在しない
- 的 … の (所有格)
- 城市 … 街
ケンガンアシュラ
企業同士の争いや決めごとを裏格闘技で決める社会で、その闘士に選ばれた男たちやその企業社長の戦いを描く漫画。
登場人物がいちいち全員かっこいい。キャラを見て楽しめる漫画。難しいこと考えず男同士のかっこよくてアツい戦いを見たい人はぜひ。新世代の王道格闘漫画。スマホアプリ「マンガワン」で数年前から連載され現在は完結済みで、Kindleで全巻購入も可能。
中文だとタイトルは「拳願阿修羅」でそのまんま。
ケンガンオメガ
上のケンガンアシュラの続編がこのケンガンオメガ。裏格闘技会の派閥争い勃発で今後ケンガンアシュラで描かれたケンガン会が生き残れるかが必見。前作で描かれていた濃いキャラの闘士たちの成長した姿を見れるのがファンとしては嬉しい。
中文だと「拳願歐米茄」と書かれているものや「拳願OMEGA」と書かれているもの等がある。公式な中文名はまだないのかも。
フィンランド・サガ
Kindle 読み放題プランでダウンロードして読めるのがこのフィンランド・サガ。下で書いている「やれたかも委員会」の作者の漫画なので人の心情の機微を捉えていて面白い。
サウナで暑さに耐える行為を世の中の理不尽さや不条理に耐える行為と重ねて、日常を送る人たちへの共感や悟り、慰めを伝える漫画。仕事に疲れたら読んでほしい。
やれたかも委員会
人生に一度はあったかもしれない「あの子といい関係になれていたかもしれない」という瞬間を語り部とそれを聞く委員会ジャッジ三人で多角的に描くノンフィクション漫画。そこに至るまでの過程に垣間見る他人の人生と後悔、ジャッジ三人のコメントが面白い。
中文だとこの漫画の名前は「也許曾經能做到委員會」。去年日本でドラマ化されていたようで、これはもう見ないといけない。
最近は面白く深い漫画が多い。最近アツいのは2017年に始まった「サマータイムレンダ」(コミックスで欲しくなったのでアマゾンでコミックスのセット販売をぽちってしまった)とか。また他の漫画もブログで共有します。
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