台湾で子育て
子供が2021年に生まれ、早くも2年が経ちました。生まれてから半年間は妻の実家で妻の両親と生活し、2021年末に台中の妻の実家近くで住宅を購入したので妻の実家を出て別々に暮らし始めました。子供が託児所に行くようになる前の2022年1月末までは子供は平日は妻の実家で過ごして、妻のお母さんがお世話してくれていました。
子供をバイリンガル、トリリンガル、クワドリンガルに育てる? 育てられる?
妻の実家で過ごしているときは子供は台湾語を浴びている状態で、引っ越し後は中国語に主に触れるようになっていきました。託児所では先生は中国語で子供たちに話しかけたり、毎日絵本を読んでくれています。
朝の託児所に行く前や夜ご飯を食べる前に見るテレビは主に海外の子供向けYoutube番組で英語が多いです。英語は聞いているが、ちゃんと意味と紐づけられているかはまだ微妙なところ。
子供と話すときの言語
自分が子供と話すときは主に中国語で話しています。周りに日本語を解する人がいないので自分だけ日本語で話すという苦行に耐えることができなかったというのが本音です。休日や車での移動中に日本語で話しかけたり、動作と一緒に日本語の単語を話して日本語に触れてもらってゆっくり覚えて行ってもらおうとしています。
日本語はどう触れさせるか
自分としては、無理に日本語を覚えさせる必要はないと思っています。中国語 (國語、マンダリン) を母国語として台湾語と英語が母国語に近いレベルになってくれれば良いなという感じです。日本語はあくまでおまけとして、自分の日本の家族と簡単に話せるようになってくれるだけでも万々歳です。
自分は漫画を読んで育って徐々に小説など本を読むようになっていったので、自分の書斎に日本語の漫画や小説などの本を置いておき自分が読んでいるところを見せることで自然に興味を持ってくれればよいと思っています。興味を持たなかったらそれはそれで、あいうえおなど基本的な文字がわかって、基本的なあいさつや表現が聞き取れるだけで良いかなと思っています。
子供が小学生になったら7-8月の夏休み期間中に日本の実家に数週間滞在させて日本語を浴びさせるのでも良いかな、それで覚えなかったらしょうがないな、日本語よりも日本人の考え方や文化的なことを少しでも理解できるようになっておいてほしいかなというスタンスです。
英語はどうする?
英語については上記のようにテレビを通して毎日耳にいれている状態ではあるが、会話は全然できていない状態です。自分はある程度英語を話せますが、妻はあんまり話せないのでなかなか自分だけ英語でずっと話し続ける気力がないです。
子供は通っている託児所の系列の幼稚園に、2歳半になる頃2023年10月から通い始めるのですが、そこでは英語に触れさせる授業があり、ネイティブスピーカーの先生がいる小学生向けの英語クラスがあるようなので小学生になった後にもそこに通わせることになるかなと思っています。そこでの上達具合を見つつ英語により触れられるような状況を作ってあげられるように動くと思います。
言語を子供に覚えさせる時思ったこと
子供は生活の中で中国語は自然に覚えて行っているのですが、その覚え方は自分が中国語を学び始めたときの覚え方というか身に着け方と似ているなと思っています。
それは「その言葉の音と、その音に対応する動作/概念を目で見て触れるようにして、自分の中でその音から動作や概念の想起ができるようになる」ことで、要は「站起來」と言われれば立つ、のように母国語での翻訳を頭の中に介さずに体で覚える、ということ。子供の場合はその母国語にあたる言語がまだない状態なので、毎日繰り返し親から言葉を浴びることで、その音と動作の紐づけがだんだん明確になってくるのだと気づきました。
日本の中学校などでやるような日本語を媒介にした英語学習ではなく、中国語のまま覚えるようにした、というのが自分の中国語学習方法で、その方法って正しかったんだなと改めて感じました。でもまぁその方法でも限界はあるので本を読んだりテレビや映画を見て生きた表現に触れて覚えていく学習はつづけなければいけないですが。
最近は「大人が新しい言語を覚えて使いこなすようになるのはかなり難しい」のような一般に言われていることは、あまり真実ではないんじゃないかと感じています。大事なのは自分の素直さで、多言語を通して見たもの感じたものやことをそのまま自分の主観なしにその言語と結び付け認められるかどうか、ということだと思っています。それが地頭の良さにもつながるんじゃないかなと感じています。人の素直さ (人の素直さを客観的に測れる方法があるのであれば) と言語を身に着ける能力が関係していることを証明する論文ないかな。
子供2歳半前の現在の言語力
さて、そんな具合で中国語を基本としてではありますが、複数の言語を浴びている自分の子供の2歳半前頃の言語力をざっと振り返ってみます。
中国語
うちの子が理解して受け答えや動作をとることができ、ある程度正確に発音できることができる中国語の言葉は下の通り。結構多いですね。以下の各単語の右側は日本語訳です。
1歳-2歳前くらいまでは S や X の発音ができていない状態だったのですが、最近はできるようになってきています。「謝謝」はシェシェと言えるようになっていて、「水」はシュェィと言える時もあれば、フゥェイと言っちゃうこともあります。
すごいなと思うのは、「二樓 er lou」などの “er” や “l” の発音がちゃんとできているということ。日本語が母国語の人は RとL の発音はちゃんと意識して練習しないと難しいと思いますが、子供は日本語の影響がない状態なのでちゃんとRとLを使い分けられています。
- 謝謝 ありがとう
- 要 やる/する/ほしい
- 不要 いらない/いやだ/だめ
- 有 ある
- 沒有 ない
- 不用 いらない
- 起來 起きる
- 起床 起きる
- 睡覺 寝る
- 刷牙 歯を磨く
- 來 来る
- 過來 こっちに来る
- 下來 降りる
- 去 行く
- 下去 降りる
- 上去 上がる
- 出去 外出する
- 吃 食べる
- 咬 噛む
- 喝 飲む
- 撿、撿起來 拾う
- 拿 取る/掴む
- 放 置く
- 玩 遊ぶ
- 找 会いに行く/探す
- 坐 座る
- 走 歩く
- 跑 走る
- 洗澡 お風呂に入る
- 拉 引く
- 摸 撫でる
- 親 キスする
- 跳舞 踊る
- 開車 車を運転する
- 畫 絵を描く
- 開 開ける
- 哭 泣く
- 看 見る
- 擦 拭く
- 站起來 立つ
- 站著 立つ/立ち続ける
- 丟 捨てる
- 笑 笑う
- 閉眼睛 目を閉じる
- 抱 だっこする
- 換布 おむつを替える
- 球 ボール
- 腳、手など体の部位
- 嘴巴、耳朵など顔の部位
- 牛奶 牛乳
- 水
- 果汁 ジュース
- 鞋子 靴
- 襪子 靴下
- 褲子 ズボン
- 椅子
- 桌子 机
- 電風扇 扇風機
- 泡 シャボン玉
- 大便
- 蟲 虫
- 書 本
- 筆 ペン
- 學校 学校
- 寶貝 赤ちゃん
- 香蕉 バナナ
- 蘋果 りんご
- 冰 冷たい
- 熱 熱い
- 癢 かゆい
- 痛 痛い
- 讚 いいね
- 臭 くさい
- 乖 おとなしい
- 壞 やんちゃ
- 爸爸 お父さん
- 媽媽 お母さん
- 阿嬤 おばあちゃん
- 爺爺 おじいちゃん
- 阿姨 おばちゃん
- 姐姐 おねえちゃん
- 弟弟 年下の男の子
- 妹妹 年下の女の子
- 老師 先生
- 二樓 二階
- 三樓 三階
- 肥 脂肪
今ぱっと思いつくものを列挙したので語彙としては、100単語前後というところですね。
台湾語
自分は台湾語能力はまだまだ低いので子供がどれくらい台湾語を知っているかつかみ切れていませんが、妻によるとおばあちゃんと話すときに結構台湾語で受け答えすることがあるとのこと。
例えば、ジャッパー (ご飯食べた、お腹いっぱい)、ボアイ (不用) などなど。フルーツの名前や何かを買いに行くときの動作の言葉など自分が知らない台湾語を知っている可能性大です。
日本語
自分のほうで1歳頃に教えて今でも覚えているのは、体や顔の部位の日本語や「食べる」「降りる」のような簡単な動詞少しと「おはよう、おやすみ」などの簡単な挨拶ですね。
最近は中国語と日本語を聞き分けられるようになったのか、自分が日本語で話しかけると意味が分からないからなのか「不要 ブヤオ!」と言われます。根気強く日本語でも話しかけなければ。
英語
英語に関してはまだまだで、apple, banana, ball のような自分が日常的に触れるものの英単語を少し知っている状態です。日本語のベースがないので英語の発音は良いという印象です。テレビを一緒に見ているときに出てきた英単語を反すうしてあげて徐々にアウトプットを促すようにしないとなと思っています。
今後の計画
今後も定期的に子供の言語力を振り返っていこうと思います。2歳半前で上のような感じで2歳を超えてから急激に言語能力が上がってきたと感じるので2歳半、3歳になるとより語彙力と理解力に幅が出ると思います。
今後もブログで記録を残していこうと思います。バイリンガル教育など、子供に複数言語が理解できるようになってほしいと願う親は多いはず。試行錯誤しながら言葉を教えていくのでここでシェアして見てくれた人の役になればいいなと思っています。
自分は生活と仕事で日本語、英語、中国語を使っていますが、後天的な似非トリリンガルです。大学生の時に英語を身に着けて卒業後に仕事を通してブラッシュアップしていき、30歳以降になって中国語を身に着けいった(今も毎日学習中)ので、こんな苦労は子供にはあまりさせたくないなぁと思っています。大人になってからも自分で自律的に学んでいくのは大事なんですけどね。