台湾のレジで聞かれる會員・載具・統編は何なのか、毎回聞き返さないための中文メモ

中国語

台湾のコンビニで飲み物を一本持ってレジに行くと、店員が商品のバーコードを読み取りながら何かを三つくらい続けて聞いてくる。袋が必要なのかと思って「不用」と答えたら、今度は別の質問が飛んでくる。悠遊卡を機械に置くころには会話が終わっているのだが、結局何を聞かれていたのかわからない。

中文を学び始めた頃、食べ物の名前や数字はそれなりに準備していたが、コンビニの会計で「會員」「載具」「統編」を聞かれるとは教科書に書かれていなかった。しかも店員は一日に何百回も同じことを言っているので相当速い。こちらが外国人だと気づいた頃には、レシートと商品を渡されて退場である。

この三つは似たようなタイミングで聞かれるが、会員登録、電子レシート、会社の経費処理とそれぞれ全く別の話をしている。意味がわかれば返事はほぼ「有」「沒有」「不用」のどれかで済むので、台湾のコンビニやスーパーで聞かれる会計中文としてまとめておきたい。

※例文の音声は macOS の台湾華語音声(美佳 / Meijia)で生成した読み上げです。実際の店員の速さや話し方とは少し違います。

先に三つの意味だけ整理

  • 會員(huì yuán)=その店の会員、会員アプリやポイントカード
  • 載具(zǎi jù)=電子發票をクラウドに保存するためのバーコードなど
  • 統編(tǒng biān)=会社や事業者の統一編號、台湾の法人番号のようなもの

短期旅行で台湾に来ていて、店の会員ではなく、電子發票用の載具も持っておらず、会社の経費にもしない場合は全部「沒有」または「不用」でよい。最初に結論を書くとこれだけなのだが、何を断っているのかわからないまま返事をするのも気持ちが悪いので、以下それぞれについて書く。

「有會員嗎?」は店の会員かどうか

會員は日本語と同じく会員という意味。コンビニ、スーパー、ドラッグストア、飲食店などが運営している会員サービスについて聞いている。

店員が実際に使う言い方はいくつかある。

  • 有會員嗎?=会員ですか、会員登録がありますか
  • 有會員條碼嗎?=会員バーコードはありますか
  • 會員要刷嗎?=会員バーコードを読み取りますか
  • 有APP嗎?=アプリを持っていますか

会員なら「有」と言ってアプリのバーコードを出せばよい。会員でなければ「沒有會員」または短く「沒有」で終わる。「不用」と答えても会員機能を使わない意図は伝わる。

沒有會員,謝謝。
会員ではありません、ありがとう。

會員の「會」は huì なので、日本語の「かい」に引っ張られると聞き取れない。店員が「フイユェン」のような音を出しながらスマホを持つ動作をしていたら、だいたい会員アプリの話だと思ってよい。

一番わかりにくい「載具」とは

問題は載具である。普通に辞書を引くと、乗り物、運搬手段、媒体などが出てきて、なぜコンビニで乗り物について聞かれているのかということになる。

レジでいう載具は、正確には發票載具。買い物で発行される電子發票をクラウド上に保存するための道具を意味する。台湾ではクラウドを「雲端(yún duān)」と呼ぶので、載具に保存されたものは「雲端發票」と呼ばれている。

代表的なのが「手機條碼」というスマートフォンに表示するバーコード。財政部の電子發票整合服務平台で申請し、会計時にバーコードを読み取ってもらうと、紙の發票を受け取らず電子的に保存できる。悠遊卡、クレジットカード、各店舗の会員サービスなどが載具になる場合もあり、それらを手機條碼にまとめる作業を「歸戶」という。急に戸籍のような言葉まで出てきてややこしいが、複数の場所にある發票を一つにひも付ける機能だと考えればよい。

載具については次のように聞かれる。

  • 有載具嗎?=載具はありますか
  • 發票要存載具嗎?=發票を載具に保存しますか
  • 要存載具嗎?=載具に保存しますか
  • 載具要刷嗎?=載具を読み取りますか
  • 發票要印嗎?=發票を印刷しますか

載具を持っている場合は「有載具」や「我要存載具」と言ってバーコードを見せる。バーコードを出すタイミングが遅いと發票が発行済みになってしまうこともあるので、慣れている人は支払い前からスマホに表示している。

有,我要存載具。
あります、載具に保存します。

載具を持っておらず紙で受け取りたい場合は以下。

沒有載具,發票請印出來。
載具はありません、發票を印刷してください。

短期旅行なら単に「沒有」と答えて紙の發票を受け取ればよい。紙の電子發票證明聯にもくじの番号があるので、載具がなければ抽選に参加できないということではない。

發票は普通のレシートと少し違う

發票(fā piào)は日本語だと領収書やレシートと訳されるが、台湾で買い物をすると出てくる政府管理の統一發票は、単なる購入明細ではない。二か月を一期として番号の抽選があり、当たると賞金を受け取れる。

財政部の規定では奇数月の25日に前期分が抽選され、特別獎は8桁全てが一致すると1,000万台湾元、特獎は200万台湾元。末尾3桁が一致する六獎は200台湾元となっている。コンビニで数十元の買い物をした小さな紙が突然高額当選券になる可能性があるので、台湾ではレシートを床に捨ててはいけない理由が物理的にも存在する。

載具に保存しておけば、財政部のサービスや公式アプリで發票の確認と照合ができ、受取口座を設定していれば当選金の振り込みも利用できる。紙をためて二か月ごとに番号を見る作業が好きなら別だが、台湾に長く住むなら載具を使うほうが楽だと思う。

店によっては商品明細が書かれた紙と發票が別々に出てくる。明細だけを見て番号がないと慌てることがあるが、發票はもう一枚の小さい紙だったり、載具に保存済みだったりする。紙の量を減らしたつもりが広告、明細、クーポンで以前より長くなっているレシートもあり、台湾のレジ周辺には独自の生態系がある。

「統編嗎?」は会社の番号が必要か

統編は「統一編號(tǒng yī biān hào)」の略。台湾の会社や事業者に付与される番号で、会社の経費として發票を処理するときなどに使われる。

店員からは以下のように聞かれる。

  • 需要統編嗎?=統一編號は必要ですか
  • 要打統編嗎?=統一編號を入力しますか
  • 統編嗎?=統一編號は?

個人の買い物や旅行中の買い物なら通常は「不用統編」でよい。

不用統編。
統一編號は必要ありません。

仕事で必要なら「要打統編」と伝えて8桁の番号を見せる。番号を口頭で一桁ずつ言うこともできるが、レジの後ろに人が並んでいる状態で声調付きの数字を正確に八つ伝えるのは中文の実技試験になるので、スマホに番号を保存して見せたほうが確実。

統編と統一發票はどちらにも「統一」が入っていて混乱するが、發票自体は一般消費者も受け取るもの、統編は事業者情報を發票に記載したいときに使う番号である。

會員載具と言われたらどちらなのか

ここまでなら三つを別々に覚えればよいが、実際のレジでは「會員載具」という合体した言葉が出てくる。

會員載具嗎?

店の会員アカウント自体に電子發票を保存できる場合、そのアカウントは會員であると同時に載具にもなる。店員が「會員載具嗎?」と聞いた場合、会員バーコードを使ってポイントを付け、發票もそこに保存するかをまとめて確認している可能性がある。

會員バーコードを出したあとに載具を別途聞かれることもある。会員ポイントは店のアプリ、發票は財政部の手機條碼というように保存先を分けられるためである。このあたりは店とアプリの設定によって違うので、「會員を見せたのにまたバーコードを聞かれた、さっきのは失敗したのか」と心配しなくてよい。レジは一回の買い物で読み取るバーコードが多すぎる。

聞き取れなかったときは「全部いりません」

旅行中で會員、載具、統編のどれも使わないなら、質問を一つずつ解析しなくても次の一言でほぼ終わる。

都不用,謝謝。
どれも必要ありません、ありがとう。

「都」は全部、「不用」は必要ない。袋まで不要として解釈される可能性はあるが、袋が必要なら商品を指して「我要一個袋子」と追加すればよい。

相手の言ったことを確認したい場合は、聞こえた単語をそのまま疑問形にする方法も使える。

  • 你是說會員嗎?=会員のことですか
  • 你是說載具嗎?=載具のことですか
  • 不好意思,請再說一次。=すみません、もう一度言ってください
  • 可以說慢一點嗎?=もう少しゆっくり話してもらえますか

ただ、昼時のコンビニで店員に載具の制度を一から説明してもらうのは現実的ではない。後ろから弁当を持った人たちの圧を感じたら「都不用」で脱出し、帰ってから調べるほうが平和である。

レジでの会話を一度通してみる

店によって順番や言い方は違うが、何も持っていない旅行者なら次のような会話になる。

店員:有會員嗎?
会員ですか?

客:沒有。
ありません。

店員:發票要存載具嗎?
發票を載具に保存しますか?

客:沒有載具,請印出來。
載具はありません。印刷してください。

店員:需要統編嗎?
統一編號は必要ですか?

客:不用,謝謝。
必要ありません、ありがとう。

台湾在住で會員と載具を使う場合は次のようになる。

我有會員,發票存手機條碼,不用統編。
会員です。發票は手機條碼に保存し、統一編號は必要ありません。

実際にはこんなに完全な文章を言わず、スマホを見せながら「會員」「載具」「不用統編」と単語だけで進むことが多い。中文学習では正しい文章を作る練習も大切だが、生活では相手と必要な情報を交換して会計が終われば勝ちである。

まとめ

會員は店の会員、載具は電子發票の保存先、統編は会社や事業者の番号。三つの単語を知っていれば、台湾のレジで何を聞かれているかわからない時間はかなり減る。

  • 會員を持っていない:沒有會員
  • 載具を持っていない:沒有載具、發票請印出來
  • 統編が必要ない:不用統編
  • 全部必要ない:都不用,謝謝

台湾の中文は教科書に載っている挨拶だけでなく、こういう制度と一緒になった単語が生活の難易度を上げてくる。載具という二文字だけを見て意味を推測するのは難しいが、仕組みを一度理解すると次からは店員の高速中文の中でもその音だけ拾えるようになる。

まずは「都不用」で会計を完了させ、台湾に長くいることになったら手機條碼を作ってみる。そのくらいの段階的な対応でよいと思う。發票が1,000万台湾元に化ける可能性も一応あるので、紙でも電子でも受け取ったものはなくさないようにしたい。

参考

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