台湾では LINE や Messenger で用事が済む場面が増えたが、電話が必要な場面はまだ多い。房東への連絡、クリニックの予約変更、宅配の不在連絡、会社の総務——「文字で送ればいいのに」と思いながら、着信に出られず後悔した経験はないだろうか。自分も最初、電話が鳴ると緊張して「喂」のあと何を言えばいいかわからず、相手の「請問哪位?」に黙ってしまったことがある。
台湾華語の電話は、対面の会話より定型句がはっきりしている。かける側は「名乗り → 相手確認 → 用件」、受ける側は「喂 → 哪位 → 轉接/留言」の順で進む。今回は、自分が電話をかけるとき・受けるときの両方で使える中文を、実際の場面別に整理する。
※例文の音声は macOS の台湾華語音声(美佳 / Meijia)で生成した読み上げです。実際の電話の速さ・話し方とは少し違います。
先に結論だけ
- 喂(wéi)=電話の第一声(「もしもし」に近い)
- 你好,我是OO=名乗り(「OOと申します」)
- 請問是OO嗎?=相手の確認
- 我想請問一下=用件の前置き(「ちょっとお伺いしたいのですが」)
- 請稍等一下=少々お待ちください
- 請問哪位?=どちら様ですか?(受ける側)
- 他現在不在=今は席を外しています
- 可以請他回電嗎?=折り返しの電話をお願いできますか
- 可以再說一次嗎?=もう一度お願いします
- 我幫你轉接=おつなぎします
- 我幫你留言=伝言をお預かりします
- 那我先掛了=では失礼します(電話を切る前)
電話の基本はかける:喂 → 名乗り → 相手確認 → 用件、受ける:喂 → 哪位 → 対応 or 轉接。この型を覚えれば、初めての相手にも慌てにくい。
電話をかける:最初の三ステップ
台湾で電話をかけると、相手が出た瞬間に喂と言うのが普通だ。日本語の「もしもし」に相当するが、声のトーンはやや高めで短く。相手も「喂」と返してくるので、そこから会話が始まる。
次に名乗る。你好,我是OOが最も汎用的な型だ。「我是」+名前(または会社名・役職)。フルネームでも、姓だけでも通じる。外国人なら「我是山元,從日本來的」と少し補足してもよい。
你好,我是xx。
こんにちは、xxと申します。
個人にかけるときは、名乗ったあと請問是張先生嗎?(張さんですか?)と相手を確認する。会社にかけるときは「請問是XX公司嗎?」「請問客服嗎?」のように、部署や窓口を指定する。
請問是張先生嗎?
張さんでいらっしゃいますか?
請問是XX診所嗎?
○○クリニックさまでしょうか?
相手が「對,請說(はい、どうぞ)」と言ったら、用件に入る。いきなり本題から入るより、我想請問一下と前置きすると聞き手に優しい。予約・変更・確認など、ほとんどの用件の前に使える。
我想請問一下,明天可以改時間嗎?
ちょっとお伺いしたいのですが、明日時間を変更できますか?
用件を伝える:場面別の例文
予約・変更(餐廳・診所・美容院)
台湾では電話予約がまだ一般的だ。特に人気店やクリニックは、LINE より電話のほうが早いこともある。
我想預約明天下午兩點。
明日の午後2時に予約したいです。
我想取消今天的預約。
今日の予約をキャンセルしたいです。
我預約的名字是xx。
予約名はxxです。
クリニックや健保の話は 掛號・看診の記事、住所の伝え方は 段・巷・弄・號の記事 とあわせて覚えるとスムーズだ。
房東・管理員・宅配
租屋生活では房東や管理員への電話が避けられない。水漏れ、鍵、修繕——急ぎのときは電話のほうが確実だ。
我是樓下的房客,想反映一個問題。
下の階の入居者です。問題を伝えたいのですが。
我有一個包裹要寄,可以請你代收嗎?
荷物を預かってもらえますか?
租屋まわりの語彙は 看房・合約の記事 を参照。
会社・客服・總機
会社の代表番号にかけると、まず総機(總機)が出る。「請問找哪位?(どちらをお探しですか?)」と聞かれたら、部署名か担当者名を伝える。
請問找哪位?
どちらをお探しですか?
我找業務部的王先生。
業務部の王先生をお願いします。
請幫我轉業務部。
業務部におつなぎください。
相手が「請稍等一下」と言ったら、好的,謝謝と返して待つ。長く待たされたら「還在嗎?(まだですか?)」と聞いても失礼ではない。
電話を受ける:出る側の基本
電話が鳴ったら、まず喂。個人の携帯なら「喂,你好」でもよい。会社や店舗なら「XX公司您好」「XX診所,請說」のように、所属を名乗ることも多い。
相手の名前がわからないときは請問哪位?(どちら様ですか?)と聞く。これは電話の定番フレーズで、丁寧さと距離感のバランスがちょうどよい。より丁寧にするなら「請問您是哪位?」。
喂,你好,請問哪位?
もしもし、どちら様ですか?
相手が「我是OO,找XX」と言ったら、探している人がいるか確認する。
請稍等一下,我幫你轉。
少々お待ちください、おつなぎします。
他現在不在,有什麼事嗎?
今は席を外しています。ご用件は?
不在のときは、用件を聞いて留言(伝言)を預かる。「我幫你留言」「我請他回電」が定番だ。
可以請他回電嗎?我的電話是09XX。
折り返しの電話をお願いできますか。私の番号は09XXです。
自分が代わりに電話をかけ直す約束をするなら、「我會跟他說,請他回電(伝えておきます、折り返します)」と返す。
聞き取れないとき・つながりが悪いとき
電話は対面より聞き取りにくい。特に初めての相手や、道路脇からかけてくる宅配の電話では、早口で聞き逃しやすい。遠慮せず聞き返してよい。
不好意思,沒聽清楚,可以再說一次嗎?
すみません、聞き取れませんでした。もう一度お願いします。
請說慢一點。
ゆっくり話してください。
訊號不好,我聽不清楚。
電波が悪くて、聞こえません。
自分が外国人だと、相手が自動的にゆっくり話してくれることもあるが、頼まなくても請說慢一點は十分通じる。恥ずかしがらず使うほうが、結局お互いの時間を節約できる。
電話を切るとき
用件が済んだら、きちんと締める。いきなり切るのは避けたい。台湾では謝謝 → 掰掰/再見 → 掛電話の流れが自然だ。
好的,了解了,謝謝。
わかりました、ありがとうございます。
那我先掛了,掰掰。
では失礼します。
ビジネス寄りの場面では「那我先掛了,謝謝您」、カジュアルな相手には「好,掰掰」で十分。相手が先に切っても、こちらから一度「謝謝」と言えてから切るのが無難だ。
LINE との使い分け
台湾では個人間の連絡は LINE が中心だが、電話が必要な場面もはっきりしている。
- 電話向き:予約・変更、急ぎの連絡、初対面の業者、宅配の不在対応、客服への問い合わせ
- LINE向き:日程調整、写真の送付、グループ連絡、非急ぎの確認
LINE グループでの実践表現は LINEグループの記事、門號の契約は 門號・方案の記事 を参照。電話番号そのもの(09から始まる番号)がないと、多くの予約や本人確認が進まない点も忘れないでほしい。
よくある勘違い
- 喂=失礼:電話では普通の第一声。対面で突然「喂」と言うのは別だが、電話では問題ない
- 我是だけで名乗り完了:「我是山元」のあと、用件か相手確認が必要
- 哪位は失礼:電話では標準的な聞き方。個人的にもビジネスでも使える
- 聞き返しは恥ずかしい:「沒聽清楚,可以再說一次嗎?」は誰でも使う。遠慮しないほうがよい
- LINEで全部済む:房東・クリニック・客服は電話前提のことも多い
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まとめ
台湾での電話は、かける:喂 → 你好我是OO → 請問是OO嗎 → 我想請問一下、受ける:喂 → 請問哪位 → 請稍等/他不在 → 留言・回電の型を覚えれば大半は通る。聞き取れなければ「可以再說一次嗎?」、終わりは「那我先掛了,謝謝」——この12フレーズを声に出して練習しておくだけで、次の着信や予約電話の不安はかなり減る。自分も最初は「喂」のあと固まっていたが、型を覚えてからは房東への連絡もクリニックの変更も、電話のほうが早く終わる場面が増えた。

