日本統治開始直後の時代を描いた、宝石箱のようなアクションゲーム「添丁の伝説」(スイッチ、Steam)

ゲーム





ゲーム「添丁の伝説」

添丁の伝説は1909年の台湾を舞台にした、メトロイドやキャッスルヴァニアのような横スクロールで多彩なアクションを繰り出すことができるアクションゲーム。個人的には小学生のときにプレイした「がんばれゴエモン」を少しだけ彷彿とさせる。

ゲーム内で入手できるアイテムの中に実際の「日本軍の統治開始時の絵」もあり、その絵は当時の台湾初代総督が殺される絵が描かれていたりする。他にも厳しい態度の日本人警官やいきなり日本の決まりが押し付けられるようになったので現地の人たちの様々な反発があったという。そのような時代に生きた実在の人物である廖添丁を主人公にしたゲーム。

廖添丁 (Liao Tianding、りょうてんてい)

廖添丁とは、日本統治時代の台湾に実在した義賊(弱者のために強者や権力者から盗みを働いたり犯罪を犯したりする人)で、26歳の若さでこの世を去った後に台湾で神様の一人として祀られることになった人物である。

ちなみに、この「廖添丁」を扱ったテレビ番組や映画は台湾で昔からあり、私の台湾人である妻も一般常識的な感覚で知っていた。

台湾の歴史

台湾の歴史を知るには、台南にある「国立歴史博物館」がおすすめです。香港の歴史博物館のように時代ごとに展示をまわり、先史時代からの台湾の歴史を体感的に知ることができる。

(↑国立歴史博物館を外から撮った写真)

2018年に行ったのですが、次は子供を連れて行きたい。台湾が日本について悪く言うことに気を使っている感があるが、台湾視点での日本の統治についても少し知ることができるので良い。

一般的な台湾旅行好きな人からすると、びっくりされるかもしれないが、台湾の中で日本人と直接的なつながりがない人にとっては、日本文化はサブカルチャーや生活で受け入れているが、歴史的な理由から実際には日本や日本人についてはあまり良くない印象を抱いている人も少なくはない。台湾人の優しさや歴史より人を見てその人を判断しようとする姿勢から、日本と複雑な歴史があるのにも関わらず日本人に対しての負の感情は見られないのだと個人的に感じている。

廖添丁に関する道教の廟

この廖添丁は上記のように台湾で神様として祀られていて、その道教の廟が台中市清水区にある実はうちの近くにあったりします。廖添丁の出身は現在の清水区ということで、清水に祀られているみたい。

清水についてはこちらもどうぞ。

ゲームのあらすじ

以下のあらすじはスイッチとSteamの紹介ページから。

20世紀初頭、日本統治時代の台湾を舞台に、富める者から奪い、貧しき者を養い、台北に潜む闇を暴いていきます。

『添丁の伝説』は、台湾の伝説的な英雄である廖 添丁(りょう てんてい)を題材にした横スクロールアクションゲームです。

◆ 台湾の伝説的英雄 ◆

物語の主人公は、台北市の自警団員であり、日本の植民地時代には指名手配もされていた人物、廖 添丁(りょう てんてい)。20世紀初頭の台北の街で、歴史に残る “ならず者” として、富める者から奪い、貧しき者を養い、正義のために戦います。
実在の事件や人物、歴史的背景をもとに、見過ごされがちな時代と場所を掘り下げ、中国の伝統的な漫画スタイルで表現したのがこの『添丁の伝説』です。

プレイ時間

ストーリーを進めていって一応エンディングまでたどり着くには、自分は5-6時間ほどかかりました。今はサブクエストをクリアするために、物語序盤のコースに戻って日本人警官をぼこぼこにしてお金を稼いでいます。

良かった点

ゲームをプレイしていく中で楽しめた点が以下。

  • 武器を奪ったり自分の必殺技を打ったり相手の攻撃を避けて必殺技をだしたりと敵を攻撃するときのアクションが豊富。
  • 敵をやっつけたり、お金を街のホームレスにあげることでもらえるグッズが当時の台湾にあったような昭和の懐かしさを感じさせるものでそのグッズを集めたり説明を読んだりするのが楽しい。
  • ゲームの中で一般的に悪者の位置にある日本の警察や軍隊の中にも良い奴 (松本刑事) がいて救われる気持ちがする。ちなみにこの松本さんも実際に実在した人物らしい。
  • 漫画テイストでストーリーを追っていくのもたのしい。
  • 台湾人の視点から日本が台湾にやってきた当時のことが描かれていて良い。日本側から語られる日本統治時代は当時を日本よりにかなり美化して語られることが多いが、統治される側の台湾人にとってみれば複雑な心境でもあることに意識したい。

イマイチと感じた点

逆にイマイチ、改善してほしいと思った点は以下。

  • 物足りなさ。楽しさ相まって開始からエンディングまでがめちゃめちゃ早いと感じた。安めの価格設定で軽く遊べるのでこれはしょうがないとは思う。
  • サブクエストを進めていく中で、サブクエストがバッドエンドになったときは、そうなったことなど一切知らされずサブクエストの最後の場面や登場人物とのやり取りがリセットされる。

スイッチ

スイッチではダウンロード版が2,190円で販売されている。

Steam (PC)

Steamではスイッチの購入金額よりも2-3割安い金額で買えるので、普段PCでゲームをする人はSteamで買ってもいいかもしれない。

その他、台湾を感じることができるおすすめゲームは「夕生 Halflight」以前ブログでまとめたのでよかったらこちらもどうぞ。

1940年代戦後の台湾を舞台にしたゲーム「夕生 Halflight」をプレイしてみた。昔の台湾を知って今を知ろう
台湾や中華文化がテーマのゲームだと台ぶらちゃんの方向性とも合致していていいなと思い Steam で探して見つけたのがこの「夕生 Halflight」というホラーファンタジー。 メディアやyoutube動画ではホラーゲームというふうに紹介されているが、実際はファンタジーでありパズルであり、ミステリーであり、歴史であり、深いテーマを扱ったゲームというメディアの形をとった芸術作品だった。

 

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