彰化
彰化は「ヂャンファ zhanghua」と読み、台湾の中西部に位置する県で台中県の南部にある。
台湾の交通部観光局当サイトによると、彰化は「台湾の穀倉地帯」と呼ばれ(確かに西部海岸線側の台中〜彰化エリアを車で走っていた時は四方が田んぼだった)、その旧称を「半線」といい、鹿港という港は清朝時代に飛躍的に発展した都市だったとのこと。
彰化は観光としてはハイキングスポットが有名で人気。食べ物は肉圓(ローユェン)や鹿港蚵仔煎 (オアジェン、牡蠣オムレツ)が有名。
彰化にいる中華系の人々は福建省や広東省からの移民が多く、八卦大仏や龍山寺、媽祖を祀る天后宮など歴史的な価値を持つ史跡も多い。
彰化にある主な観光地
台北や台南などの有名観光地とは違い、ディープな歴史を感じさせる場所が多い。
- 彰化扇型車庫
- 八卦山大仏
- 1895八卦山抗日保台史蹟館
- 永楽形象商圏夜市
- 孔子廟
- 鹿港 などなど
一番有名なのは鹿港で彰化駅からバスが出ている。それ以外は車がないと一つ一つ効率よく回れない。
鹿港の様子が知りたい人は、ここで紹介しているコーセラの台湾華語(台湾の中国語)中級コースの教材動画の中で知ることができます。中国語の学習もできて一石二鳥。
また彰化には遊びに行くことになりそうなのでその時はまたブログでレポートします。
今回は台中にいる家族に連れ添って彰化にある周りは田んぼで地元の人たちしか来ないような道教の廟に行ってきました。
彰化へのアクセス/行き方
鹿港まで行くと仮定して地図を見ると、台北駅からだと基本的に電車とバスを乗り継いで4時間半かかる。
台湾人のブログを見てみると、鹿港<->台北駅までのバスが少なからず出ているらしいです。(所要時間4時間: 台北轉運站→彰化站→鹿港站)
道教の廟
道教の廟には寺ではなく名前に「宮」が付いています。
道教とは
道教の神は漁業や航海の神様である媽祖や学業の神様である文昌帝君(雙連朝市にある廟)など、その土地に必要とされる神様を祀る多神教で、起源は中国大陸から。
主に清朝の時代に台湾に移り住んだ人たちが道教の概念を台湾にも持ち込みお寺や廟を立ててコミュニティの場としてや、心の支えとして信仰を続け生活に根ざした台湾の宗教になった。
道教は日本における神道や仏教のようなもので、多くの人は「信仰している」とは感じておらず、生活と一緒に育ってきたものであり、西洋の宗教にあるような「信仰心」的なものはなく、信じる信じないは自分しだいだし、信じたいときに信じて良いし、大切なのは自分自身の道徳心だったりする。そういう点でも日本の宗教観とも似ている。
ちなみに道教は英語で Taoism (タオイズム)、ピンインだと Dao jiao (ダオジャオ)。
私の台中の家族など一般的な人たちは、道教を「守ってくれるもの、導いてくれるもの、将来を占ってくれるもの」として捉えているが、道教の道士や師傅など修行僧的な存在の人たちは「道」と一体となるために修行をする。「気」や武術を通じて「道」に近づくのも道教。そして神様になった人たちは廟やお寺で祀られ、崇められる。
仏教との境目が曖昧で道教の廟で「阿彌陀佛 (アミィトウフォ)」と唱えたりもしています。
個人的なイメージは仏教は厭世的で道教は比較的楽観的だが、根本にある仏教や道教の教えを実践する人たちが目指す「悟り」(悟りは仏教用語だが)のようなものは一緒で、その実践者の周りの信仰者も仏教も道教も同じような感じ。
擲筊 (Zhì xiáo) / ポエ占い
台湾の廟でよく見かけるこれは「擲筊 (Zhì xiáo)」と呼ばれるもので、台湾語では「ポエ」という。
このポエを二つ持って、「Yes / No」で答えられる神様への質問(自分や家族の将来のことについて)を自分の心の中で用意し、ポエを足元に落とす。
そして落ちた2つのポエの形をみて、自分がその行動を行うべきか、行わないべきかを決める、というもの。ポエの平たい面が上を向き、もう片方が地面についている状態が良いとされる状態らしい。
道教における「キョンシー」
ちなみに香港映画で知られる「キョンシー」は道教の「道士」と呼ばれる仏教でいう出家僧のような人たちが、死んだ人を気を使って歩かせたことがキョンシー伝説の始まりらしい。
お参りの仕方
お参りをしてみたい人は、まずお線香をいくつか手に持ちましょう。
道教の廟やお寺では上の写真のように線香が置かれているので、小銭を入れて手に持ち、線香が置かれている台にあるボタンを押して線香に火をつける。
その後一つ一つ神様の台座を周り線香を顔の前に構えてお礼をして、線香を指して、次の神様の台座に回る。
廟によるが、祀られている神様は1柱とは限らないので、複数の神様を同じように線香を持って順に回って一つずつ線香を指していくことになる。
神様との対話
道教には武術の達人の仙人的な人がいるイメージを持っている人が多いと思うが、台湾でそういう人は見たことがない。その代り、みんなから「師傅(シーフー)」や「濟公(ジーゴン)」と呼ばれるおじさんが神様を自分に降ろして人々の悩み事を聞いて行くべき道を示してくれる存在がいたりする (道教全体としてこの「イタコ」が存在するのか、台湾だけなのかはわからない。そういえば台湾原住民のコミュニティでもこういったイタコがいるらしい)。上の写真のオレンジ色の服を来ている人がその人。
ちなみにこの台湾の「イタコ」のことを「乩童 (台湾語でタンキー)」と言います。
ここの廟もそうで、基本料金が200元で質問の数や質問の複雑さなどで料金が変わってくる様子。自分の名前や生年月日、住所を知らせて、このおじさんとの対話に臨むのだが、自分たちが知らせていない個人的な情報をさらっといくつも指摘してきてびっくりした。
神様を自分に降ろすために儀式が必要で、儀式は見ることができず、儀式が始まると聞いたことがない「ゲコッゲコッ」みたいなでっかい蛙の喉から出たような音が聞こえ、師傅が神様と憑依し、師傅がお酒っぽいものを飲んで対話が始まる。
師傅を通しての神様との対話は全部台湾語なので妻が全部やり取りをした。神様に聞いたことは今後の生活についてで、まぁ一言で言うと全部うまくいくとのことでした。自分は全然信心深くないので良い経験ができた。
その後、台北の道中でもよく行事ごとがある日に燃やされている「金紙」と呼ばれるお金を燃やします。めちゃくちゃいっぱい燃やします。
以上彰化の道教の廟はこんな感じでした。外国の宗教や文化や習慣に興味がある人は台湾の廟に行ってみてください。日本と似ているようで結構違う点がいくつも見つかるはず。
台湾の大甲媽祖の廟はこちら。
台北でインスタ映えする道教の廟の写真を取りたい人はこちら。
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BRUTUS特別編集 増補版 台湾
日本で台湾語をさらっと学習したいならこの本が結構使える。
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