台湾の餐廳に入った瞬間、店員が「幾位?」と聞いてくる。自分も最初、「二人です」と言う日本語の語順のまま固まって、「兩位」が出てこなかった。メニューを開いても「有什麼推薦的嗎?」が言えず、隣のテーブルが頼んでいるものを指差して「這個」だけで通したこともある。
夜市の屋台やドリンクスタンドとは違い、餐廳の点餐は席につく → 注文する → 追加する → 会計するの流れがはっきりしている。今回は、入店から買單までの店内会話に絞る。夜市の「不要香菜・打包」、ドリンクの「甜度・冰塊」、アプリの外送は、それぞれの記事に譲る。
※例文の音声は macOS の台湾華語音声(美佳 / Meijia)で生成した読み上げです。実際の店員の速さ・話し方とは少し違います。
先に結論だけ
- 幾位?(jǐ wèi?)=何名様ですか?
- 兩位=2名です(「我兩個人」より店では「兩位」が自然)
- 內用還是外帶?=店内/お持ち帰り、どちらですか?
- 有什麼推薦的嗎?=おすすめはありますか?
- 我要這個/來一份OO=これをください/OOを1つ
- 不要辣/微辣/不要香菜=辛くなし/少し辛く/香菜なし
- 可以再加點嗎?=追加で注文できますか?
- 買單/結帳=お会計お願いします
- 可以分開付嗎?=別々に払えますか?
- 可以打包嗎?=残りをパックできますか?
餐廳の基本は幾位 → 內用 → 推薦/點餐 → 忌口 → 加點 → 買單。この型を覚えれば、メニューが全部読めなくても席につける。
入店:幾位・候位・預約
カウンターや入り口で最初に聞かれるのが幾位?だ。答えは「一位・兩位・三位…」。日本語の「2人です」を直訳した「兩個人」でも通じるが、店員同士の会話では「兩位」が圧倒的に多い。
兩位,謝謝。
2名です。
四位,有座位嗎?
4名です。席ありますか?
混んでいる店では候位(hóu wèi)=順番待ち、と言われる。「請先候位」「大概要等20分鐘」——番号札や LINE 順番待ちを案内されることもある。
要候位嗎?大概十五分鐘。
順番待ちしますか?だいたい15分です。
好,我們候位。
はい、待ちます。
予約がある店なら、入ってすぐ我有預約と言う。名前と時間をセットで伝えるとスムーズだ。電話予約の型は 電話の受け答えの記事 とあわせて使う。
我有預約,名字是山元,七點。
予約しています。名前は山元、7時です。
內用・外帶・外送の切り分け
席に案内される前、または注文時に內用還是外帶?と聞かれる。答えはシンプルだ。
- 內用(nèi yòng)=店内で食べる
- 外帶(wài dài)=持ち帰り
- 外送(wài sòng)=デリバリー(店頭ではあまり聞かれない。アプリ側の話)
內用。
店内で。
外帶,謝謝。
持ち帰りで。
同じ「持って帰る」でも、屋台・夜市では打包、カウンターの持ち帰りでは外帶がよく出る。デリバリーの備註まわりは 外送・備註の記事 を参照。
メニューを聞く:推薦・招牌・今日特餐
全部の漢字が読めなくても、おすすめを聞く一句があれば注文は進む。
有什麼推薦的嗎?
おすすめはありますか?
招牌是什麼?
看板メニューは何ですか?
今日有特餐嗎?
今日の日替わりはありますか?
店員が「這個比較多人點(これがよく出ます)」と指差したら、「好,就這個」で乗ってよい。自分がメニューを読める日でも、初来店は招牌を聞くとハズレが減る。
好,就這個。
じゃあ、これで。
這個是什麼?
これは何ですか?
有素食的嗎?
ベジタリアン向けはありますか?
注文する:我要・來一份・份量
注文の型は大きく2つ。我要+料理名と、來+数量+份/碗/盤だ。
我要一份滷肉飯,一份空心菜。
魯肉飯を1つと、空心菜を1つください。
來一碗牛肉麵,大的。
牛肉麺を1杯、大で。
這個半份可以嗎?
これ、半分で頼めますか?
人数に対して量が多そうなときは「會不會太多?(多くないですか?)」と聞いても失礼ではない。逆に足りなそうなら、あとから加點すればよい。
兩位的話,點這些夠嗎?
2人だと、これで足りますか?
写真や実物を指差すときは這個/那個で十分通じる。名前が言えなくても、「這個,一份」と言えれば注文は成立する。
忌口:辣・香菜・蔥・過敏
台湾の餐廳では、注文の直後に好みを聞かれることが多い。「辣可以嗎?」「要加蛋嗎?」——こちらから先に伝えるなら、料理名のあとに続ける。
不要辣。
辛くしないでください。
微辣就好。
少し辛いくらいで。
不要香菜,不要蔥。
香菜なし、ねぎなし。
我對花生過敏。
ピーナッツアレルギーです。
夜市の屋台で頻出する「不要香菜・切小・打包」の深掘りは 夜市注文の記事 にある。餐廳でも同じ「不要〜」が使えるが、席がある分、注文後に「不好意思,我剛剛說不要辣(さっき辛くなしと言いました)」と念押ししやすい。
不好意思,我剛剛說不要香菜。
すみません、さっき香菜なしとお願いしました。
食卓のやりとり:水・餐具・等一下
座ったあと、水や箸がまだ来ていないときは呼べばよい。大声は不要で、近くの店員に「不好意思」から入る。
不好意思,可以加水嗎?
すみません、お水もらえますか?
可以再拿雙筷子嗎?
お箸をもう一膳もらえますか?
餐具可以再給我們嗎?
カトラリーをもらえますか?
まだ決めていないときは再等一下/我們先看一下菜單で時間をもらう。
我們先看一下菜單,再等一下。
メニューを見てからにします。少し待ってください。
ドリンク店の甜度・冰塊は餐廳のテーブル注文では聞かれないことが多い。手搖飲料を別に頼むなら 甜度・冰塊の記事 を参照。
加點:足りないときの追加注文
台湾の餐廳では、最初に全部決めなくても加點(jiā diǎn)で追加できる店が多い。ご飯が足りない、もう一品ほしい——そのときは呼び止めて言う。
可以再加點嗎?
追加できますか?
再來一碗白飯。
白ごはんをもう一杯。
再加一份小菜。
小菜をもう一つ。
「菜單再看一下」と言ってから決めても大丈夫。自分が最初に遠慮して少なめに頼むクセがあるので、加點の一句はかなり使う。
買單:会計・支払い・分け払い
食べ終わったら買單または結帳。どちらも「お会計」だ。手を軽く上げて「買單,謝謝」で通じる。
買單,謝謝。
お会計お願いします。
可以結帳了嗎?
会計していいですか?
支払い方法は店による。現金、刷卡(クレジットカード)、Line Pay / 街口 / 悠遊付などの電子決済。聞くときの型はこうだ。
可以刷卡嗎?
カードで払えますか?
可以用 Line Pay 嗎?
Line Pay は使えますか?
可以分開付嗎?
別々に払えますか?
割り勘は分開付/各付各的。小さな食堂では「先に一人が全部払って、あとで現金で精算」のほうが早いこともある。領収書(發票)が必要なら、会計時に可以開發票嗎?と伝える。統編がいる場合は 發票・報稅の記事 も参照。
可以開發票嗎?統編是……
領収書(發票)をお願いできますか。統編は……
帰り際:打包・謝謝招待
食べきれなかったら可以打包嗎?。多くの店は快く応じてくれる。自分から「不用了,謝謝」と言えばパック不要の意思表示になる。
可以打包嗎?
パックできますか?
不用打包,謝謝。
パックは大丈夫です。
おごってもらったときは謝謝招待。自分が払った側なら「我來付/我請」が先に出ていれば十分だ。
謝謝招待。
ごちそうさまです。
今天我請。
今日は私がおごります。
よくある勘違い
- 兩個人と言えば十分:通じるが、店では「兩位」のほうが自然
- 外帶=外送:外帶は持ち帰り、外送は配達。別物
- メニューが読めないと注文できない:「有什麼推薦的嗎?」「這個」で成立する
- 最初に全部頼まないとダメ:多くの店は加點できる
- 買單は失礼/急かす表現:普通の会計の言葉。問題ない
- 夜市のフレーズがそのまま全部通じる:忌口の「不要〜」は共通だが、幾位・內用・買單は餐廳側の語彙
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まとめ
台湾の餐廳点餐は、幾位 → 內用/外帶 → 有什麼推薦的嗎 → 我要/來一份 → 不要辣・不要香菜 → 加點 → 買單の型で大半が通る。メニューが読めなくても「這個」と「推薦」があれば席につける。聞き返しは「不好意思,再說一次」,会計は「買單,謝謝」——この十フレーズを声に出しておくだけで、次の入店の緊張はかなり下がる。自分も最初は指差し注文だけだったが、幾位と買單が口をついて出るようになってから、初めての店でも入りやすくなった。

