この記事は以下のような人向けです。
- これから中国語を勉強したい。一年間学校に通わず自学自習するとどの程度まで上達するか
- 近々台湾などの中華圏に引っ越すのだが、現地で自分で中国語を勉強すると1年後どうなるか知りたい
- 台湾で中国語勉強している人の実情を知りたい
- 学校に通わず中国語は上達するのか知りたい
この記事で言いたいこと
学校に通わなくても、以前学習したことがなくても「正しく」学習すれば約1年あれば中国語はある程度話せるように、理解できるようになる。
この投稿では私の場合どうだったかの例ですが、これから学習を始める人や学習をしていてもあまり上達を感じられない人は、私が1年間に何をしたかを確認して参考にしてもらえれば幸いです。
はじめに、「中国語」という表記について
※ はじめに「中国語」という表記について書いておきます。
台湾で話されている公用語である「中国語」は台湾人は「國語 (guo yu)」と呼び、日本人における「国語 こくご」と同じ認識の仕方。また、一般的に「台湾で話されている中国語」のことを、大陸で話されている北京語と分けて「台灣華語」ともいう。これは台湾の外の人が「台湾で話されている中国語」を指すときにいう単語であまり一般的ではない。
また「國語 (guo yu)」の他に「中文 (zhong wen)」と言ったりもする (日本語で例えると「国語 こくご」という文脈で「國語 guo yu」と言い、「日本語」という文脈で「中文」という)。それぞれ同じ言語を指すが上にのっかっているニュアンスは微妙に違う。
日本語では一般的に区別はしていないので「台湾中国語」やただ単に「中国語」という。これが台湾に住む日本人にとってみればちょっと厄介なのである。
自分はこうやってブログを書く時でも台湾人の友達に気を使って「中国語」と言うのは少し気が引けたりするので、「中文」とかSEO的に「台湾の中国語」と書いたりする。これは台湾に住む日本人あるあるなのだろうか。
これを見た台湾に住む日本人の方、ご意見ください。以下では「台湾で話されている中国語」「國語」のことを「中文」や「台湾の中国語」と呼びます。
中文 (台湾の中国語) 学習歴
自分の中文 (台湾の中国語)学習歴はこの流れ。
2018年1月:全くできない -> 自分でこつこつ学習、マンツーマンレッスンをしてくれる人を探す -> 2018年6月:マンツーマンレッスンを開始 (1週間2回2時間) -> 2018年10月:飛行機内で彼女に出会う -> 以降毎日ビデオコールで話す
台湾に引っ越ししたのが2018年1月初旬で、この時はまだ「謝謝 xiexie」しか言えなかった。
そこから半年くらいyoutubeで自主学習し、タピオカミルクティーの注文の仕方を覚え、コンビニでの受け答えを覚え、レストランでの受け答えを覚え…と生活の場で一つずつ身につけていった。
語学学校などの学校には行かず (というより自分に合う授業の時間帯がなく)、自習しながら毎日同僚と中文で話すことを日常にして日々を過ごした。
1年経過後、現在の中文 (台湾の中国語)
本気で学習を始めて1年経った今はこんな感じです。
- 自己紹介、基本的な日常会話、家庭内の会話ができる
- 困ったことがあったらそれを簡単な単語で落ち着いて伝えられる
- 病院で自分の症状を伝えられる
- 中文だけで結婚できる
現在は台湾人の妻がおりまして、毎日中文で会話しています。が、毎日「〜〜是什麼意思 (〜〜〜はどういう意味?)」と数回は言っているのでまだまだなレベル。自分のまだまだな中文でも嫌な顔せず話を聞いてくれるので安心して何でも話せるのが救い。
↓↓ 台湾での結婚について↓↓
台湾に引っ越して半年ほどの頃の中文力はこんなところ。
- 夜市やお店で中文で注文や簡単な応答ができる
- 日常会話での簡単な質問ができる
- 今日何をするか、何を食べるか、何をしたいかなど簡単な行動について話せる
- 簡単な感情を表現することができる
- 単語レベルとしては、主に食べ物関係や簡単な基本動詞あたりが記憶しているものの中では多い気がする。200-300語あたり。
まだまだ今年から学習を始めたばかりなので CEFR A1からあと数ヶ月でA2にいくかなというところだと思う。ただ日本人として漢字を知っているのでプラスではあるが、ほぼ全く下地なしで新しい言語を積み上げていくのはどういうことか、どうやって上達していくのか、上達とはどういうことかを身をもって体験できるのは良い。
↓↓ 台湾に引っ越して10ヶ月後ほどの頃 ↓↓
来年は中文だけで仕事関係のやり取りができる、繁体字翻訳ができるようになりたい、というのが密かな目標。
渡台時の中文力
上に書いた通り「謝謝 xiexie」しか言えず全くゼロの状態。日本からは以下の本を買って持っていった。
ちなみにHSKは中国政府公認の中国語試験。台湾は繁体字だが、HSKの中国語は簡体字でちょっとした単語や発音、イントネーションは微妙に台湾と異なる。だがまぁ初心者の最初の学習教材としては使える。音声もCDなしでネットからダウンロード可能。
渡台後に行った中文学習方法
全くゼロの状態から中国語を学ぶ上で自分が気をつけたことは以下。
- 日本の中学高校で学ぶような方法で中文を学ばない -> 実際に使われている場面がその言語を身につけるように心がける
- 英語は極力使わないようにする
行った学習方法は、
- Youtubeで台湾の中国語解説動画を見漁る
- ノートとペンを持ち歩いてわからない表現があったら同僚に聞いてメモ、その後自分で使ってみる
- 自分の足でマンツーマンで教えてくれる人を探し、マンツーマンレッスン契約。週に二回2時間レッスンを半年ほど
- 言語交換、出会い系アプリを言語学習として活用
- 英語と日本語が話せない彼女(今の妻)と飛行機内で出会い、それ以来毎日ビデオ通話
以下行った学習方法を詳しく書きます。
Youtubeで学習 – 台湾の中国語学習おすすめYoutubeチャンネル
初心者向け。全く中国語ができない人でもこの2つのYoutubeチャンネルを何回も視聴して、ノートに書き写して、実際の場面で使って覚えていけば、語彙力が0から頻出単語300語は知ってるくらいになれる。
初心者から学習者へステップアップできる。
- Xiaofei * 小飛と台湾中国語
- 日本人と結婚して日本で暮らしている台湾人女性が台湾で過ごす上で重要な表現を日本語で優しく丁寧に教えてくれる。自分は中国語力がゼロだったころ、これで店での注文の仕方や数の数え方など諸々生きていく上で重要な基本表現を学んだ。
- カエルライフ – 中国語学習サイト
- このチャンネルは主に大陸の中国語の発音と簡体字だが、基本的な名刺や動詞はほとんど台湾の中国語と同じなので、そのまま学習することができる。動画を見て自分が知っていたかを確認し、わからなかったら頭で反芻したりメモ取ったりして覚えていく。
また台湾の短いCMを自分で探して、そのCM動画から学ぶのもおすすめ。短く、万人に伝わるように一般的に使われている表現で有用なものを知ることができる。
ちょっとずつ中文を理解できてきたら、
- 那個女生 Kiki
- 民視綜藝娛樂 Formosa TV Entertainments (台湾のTVバラエティ番組)
- 東森新聞 CH51
のような台湾YoutuberやTV番組やニュースの動画で字幕があるものを見るのを習慣にするとよい。Youtube動画ではたいてい字幕がつけられているし、台湾では世代によって「國語」(中文)が話せない場合があるので、どの世代でも「國語」を学習できるようにTV番組やニュースには字幕が付けられているので、日常的にテレビを見るのも良い。
日常的にメモとペンを持ち歩く
すごく基本的なことなのだが、メモとペンがあればスマホでメモをとるより効率が良く、周りの人にも「それって何て書くの?」と聞きやすい。
日本人であれば漢字を見ればほぼ意味を理解できるので、発音を聞いてもわからないときは「それって何て書くの?」と聞くと大抵理解できるし、メモとペンを使えば中国語が全くできなくてもコミュニケーションをとることができる。
いつもメモとペン出して書いてくれと言っているとうざがられると思うが、ちらっと聞いてわからなかった単語の発音などはカタカナでもいいからメモしておいて後で聞くとよい。単語帳で字面だけで覚えるよりも、実際の会話の中で一度聞いている単語や表現なので使う場面を既に知っている状態なので身につきやすい。そうやって毎日数単語ずつでも自分のものにしていきましょう。
半年間週二回のマンツーマンレッスン
個人で中国語を教えている台湾人の方をネットで見つけたので、連絡を取ってお試しレッスンを受けて6月から半年間レッスンを受講した。個人間での契約なので融通が効き、最初の数カ月は自分のオフィスで、後半はオンラインやカフェでレッスンを受けたので学校に通う時間も省くことができた。
レッスンスタイルは超初心者の自分が「こう学びたい」と思っていた内容で、最初のほうのレッスンは最初に中国語で「立って (站起來)」や「座って (坐下)」など中国語で行動を促し、理解できたらその行動をする。理解できなかったら素直に聞いて説明してもらう、というもの。そうして基本的な表現や単語を体と耳で自然に覚えていった。
その後は物語や台湾の政治やニュースなど自分達が興味のあることをトピックにしたレッスンを行ってもらった。台湾のことも深く知ることができ、レッスン語に新しく学んだ単語をGoogle Spreadsheetでまとめて共有してくれるので後で振り返り学習できた。
レッスンで学んだ単語を使ってAndroidアプリを作ったりもした。
他にもネットで中国語レッスンを受けられるサービスが色々あるので、日本にいる人は活用してみてください。
オンラインレッスン
言語交換アプリ
HelloTalkなどの言語学習アプリやTinderなどの出会い系アプリは新しく言語を学ぶときにかなり使える。詳細は別の記事で書いたので興味がある人はどうぞ。
要するに、無料で練習相手を作ることができ、教材の中の表現ではなくて実際に使われている表現を知り、自分でも使って練習することができる。ビデオコールではなくチャットなのでストレスなく練習したいときに練習できる。
彼女(今の妻)とのビデオコール
去年後半に飛行機の中で彼女に出会ったので、それ以降はずっとビデオコールで中文を話していた。最初の頃はノートとペンで、彼女がノートに文章を書いて読んでもらって会話し、自分がわからない単語があれば、自分でそれについて翻訳アプリで調べる、ということを繰り返していた。
これを3ヶ月繰り返していれば流暢になるかなと思っていたが、耳と頭が慣れてちょっと語彙力が増えた程度で自分が思っていたような流暢さにはまだまだ届いていない。今でも「~~是什麼意思」「~怎麼寫啊」と言って毎日新しい単語を吸収する日々である。
結論、目的によるが1年も過ごしていればなんとかなる
「なんとかなる」も程度によるので「慣れた」と言ったほうが適切かもしれない。大事なのは少しでもいいから毎日何か新しいことを学ぶことである。
自分は台湾にいるので毎日ほぼ強制的に学習ができる環境にいるが、上で書いた方法のほとんどは日本にいる人でもできるし、どの言語を学ぶ上でも効果的な方法である。
インプットとアウトプットのバランスを取って、いかに自分が楽しんで学べるかが重要である。
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