未必のマクベス 書評 – アジアを飛びまわって仕事をする全ての中年男性に胸を張ってオススメしたい小説

読書






 

きっかけ

タイトルでは「アジアを飛び回って仕事をする全ての中年男性」と書いたが、女性や青年でも皆に読んでほしいも物凄く一押しの小説

今の所数人海外に関係する日本の友達に勧めて、全員すぐに読了し良い小説と言っているのがこの「未必のマクベス」


未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

2017年に香港に行き猛烈に日本を出て中華圏で仕事がしたいと考えるようになり、その年の冬に台北に移住することになったタイミングでたまたま手にとったのがこの本だった。

ビクトリア・ハーバーとフェリー、IFCタワーのカバーで「あ、香港だ」とひと目でわかる。しかもこの「未必のマクベス」のタイトル名とすらっとキレイなフォントが絶妙で、「マクベスは知ってるけど未必ってどんな意味だ?」と思わせる。

香港やアジア、中華圏、旅行に興味があり教養度が高めの人が無意識に本屋で手に取るようでよく考えられた装丁になっている。これを書いた著者も凄いが、出版社(ハヤカワ文庫)もごいす。

ちなみに読んだ後Twitterでつぶやくと著者の早瀬さんがレスをくださいます。著者の方と繋がれるって地味に嬉しい。


 

ストーリー

Amazonの内容紹介から抜粋

IT企業ジェイ・プロトコルの中井優一は、 東南アジアを中心に交通系ICカードの販売に携わっていた。 同僚の伴浩輔とともにバンコクでの商談を成功させた優一は、 澳門の娼婦から予言めいた言葉を告げられる―― 「あなたは、王として旅を続けなくてはならない」。 やがて香港法人の代表取締役として出向を命ぜられた優一だったが、 そこには底知れぬ陥穽が待ち受けていた。

IT企業に務めるデキルサラリーマンの主人公と同僚が大企業の陰謀と高校生の頃の初恋を思い出しながら目の前にいるのに思いを伝えられない恋愛に慣れていない無垢な頃を思わせるように振る舞わざるを得ないある種のプレイの中、陰謀の渦中に入り込み他者を出し抜いていくが諦観と達観が根底にある主人公は最後に自分の運命を受け入れる。

何が良いのか

ちょっとしたIT要素

主人公はジェイプロトコルという架空のIT企業に勤務するサラリーマン。物語の中では交通系ICカードに組み込まれているようなICカードの技術方式とその暗号化に関する話も軽く出てくるので、IT業界に身をおいて決済サービスや暗号化などの最新情報を逐一チェックしている人はちょっとぞくぞくする。自分の身にもなって物語を追体験できる。

日本ではFelicaというソニーが開発した非接触型のICカード技術があるが、素晴らしい技術なのに日本の交通系ICと香港のオクトパスカードでしか使用されていない。物語の中で東南アジアで

またこういったICカードはそのトランザクションの即時性や正確性、安全性、大量のデータ処理などハード面ソフト面の技術の結晶でもある。電車の改札のICカードの暗号化技術のもととなっているコンセプトは簡単に言えば数学の因数分解であると言われる。その辺りも知っていると何故暗号化技術が物語の中でこんなに重要視されるのかが少しは理解できるかもしれない。

生き馬の目を抜く社会に生きる大人も高校生の頃のような甘酸っぱい恋がしたい

(※「生き馬の目を抜く」は他人を素早く出し抜いて自分の利益になるような行為をすること)

上記のようなIT技術を取り扱う大企業で働く中で勤務先の薄暗い事実を知るようになっていき、その中心にほぼ毎日思い出す初恋の相手がいることがわかり

大人になるとわかる、また大人になるとできなくなる高校生の頃の「お互いの気持ちを知っていながらそれを表に出さず好意を確かめていく」ようなピュアな恋愛、手に届く場所にいるのに手が届かない、そういった幼い頃の経験を幼い頃のうブさ抜きに周りの状況が原因でそのピュアな恋愛を主人公が追体験し、また読者も同じように追体験する。面白い構造になっている。

未必のマクベスは意識高い海外志向若者~青年中年ホイホイである。

特にアジアで活躍する人たちが読むとより共感できるかも。

未必のマクベス


未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

香港に思いを馳せる度 [jinstar5.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]
切なさ [jinstar5.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]
一気読みしちゃう度 [jinstar5.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]
サスペンス度 [jinstar5.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]
読後の満足感 [jinstar5.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]

 

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