台湾で生まれた子供の出生届を日本に提出するときの手順と必要な資料、注意点について

生活





台湾での出産

台湾での出産については次の記事をご覧ください。

情報の一次ソース

出生届提出についての情報の一次ソースはこちら。

日本への出生届提出の流れ

台湾で生まれた子供の日本への出生届提出の流れは以下です。

  1. 台湾で出産後、子供の出生証明書をもらう
  2. 中国語で書かれた出生証明書の日本語訳を作成する (以下をご確認ください)
  3. 日本の出生届に必要事項を記入する (出生届は法務省サイトからダウンロードするか、日台交流協会でもらえます)
  4. 以上3点を出生届を提出する役所に送付するか、実家の親に送って提出しに行ってもらう (私は提出が正常に受理されるかどうか不安だったので実家に送付して提出してもらいました。提出に関しては特に問題なかったです)
  5. できれば、出生届を提出後に翌日から1週間後に戸籍謄本を取って、子供が無事戸籍に入っているかを確認する (子供のパスポート取得時にも必要になる可能性大 (日台交流協会「旅券関係の申請手続等」))

※ 台湾の日台交流協会に出生届を提出することはできません。

台湾の出生届の日本語訳について

私が作成した台湾の出生証明書の日本語訳は以下。翻訳版は正式な文書としては扱われず、台湾で発行された出生証明書を日本の役所の戸籍担当の人に理解させるためのものなので、だいたいの意味が伝われば大丈夫です。

結構大雑把に時間をかけずに日本語にしたので、正確さは70-100%ほどだと思います。でも役所の担当者がわかれば良いのでこの程度の翻訳で日本の役所に提出してもokです。

あと、出生届には、出産後に台湾の医師が直接記入して印鑑を押して出生証明書とすることができる資料もついているので、それを使用しても良いとのことです。

出生届提出時の注意点

注意したい点はこちら。

  • 日本の戸籍上の世帯主の姓に子供の姓を合わせる必要があるので、子供が台湾で台湾人の姓にしている場合は確認が必要
  • 出生届のメモ欄に「国籍留保をする」と記入して日本人親の署名と捺印をする (そうしないと子供は日本国籍を失うことになる。法務省サイトでご確認ください)
  • 3ヶ月以内に日本の役所に提出する

子供の国籍について

ちなみに、子供の国籍選択についても法務省サイト(「国籍の選択について」)で確認をしたほうがよいです。日本政府は原則日本国籍を持つ人は外国籍を喪失をさせる必要がある、としていて、「もし外国籍の喪失が難しい場合は外国籍離脱の努力をしなければいけない」(国籍法16条1項)とされています。

国籍法の一部を確認してみましょう。

(国籍の選択)
第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
2 日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。
第十五条 法務大臣は、外国の国籍を有する日本国民で前条第一項に定める期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して、書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる。
2 前項に規定する催告は、これを受けるべき者の所在を知ることができないときその他書面によつてすることができないやむを得ない事情があるときは、催告すべき事項を官報に掲載してすることができる。この場合における催告は、官報に掲載された日の翌日に到達したものとみなす。
3 前二項の規定による催告を受けた者は、催告を受けた日から一月以内に日本の国籍の選択をしなければ、その期間が経過した時に日本の国籍を失う。ただし、その者が天災その他その責めに帰することができない事由によつてその期間内に日本の国籍の選択をすることができない場合において、その選択をすることができるに至つた時から二週間以内にこれをしたときは、この限りでない。
第十六条 選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。
2 法務大臣は、選択の宣言をした日本国民で外国の国籍を失つていないものが自己の志望によりその外国の公務員の職(その国の国籍を有しない者であつても就任することができる職を除く。)に就任した場合において、その就任が日本の国籍を選択した趣旨に著しく反すると認めるときは、その者に対し日本の国籍の喪失の宣告をすることができる。
3 前項の宣告に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
4 第二項の宣告は、官報に告示してしなければならない。
5 第二項の宣告を受けた者は、前項の告示の日に日本の国籍を失う。
選択の時期が来て選択をしていない場合は催告を受け、催告を受けて1ヶ月以内に日本国籍を選択しないと日本国籍を失う、とされています。(15条) (ネットの情報では催告は行われていないという情報が多々あります)

そして、大事なことは14条に書かれている「日本国籍を選択する宣言をすること」と「外国籍を離脱すること」は国籍選択の手順から言うと必ずしもセットではないということ。(外国籍離脱の証明は提出しなくても良い) 日本国籍を選択後に「外国籍の離脱に努める」ということになるので、子供にはまず日本国籍を選ばせることになるかと思います。

国によって憲法や法律での国籍の取り扱い方が違うので、世界の現状と妥協させるために日本政府は見方によればダブルスタンダードとも言える方法で国籍のルールが作られている状態なのでしょう。ありがたい。ただし、日本国籍選択後に外国で公務員(おそらく特に軍に所属など)になって日本の利益に背くような行為をした場合には、その人の日本国籍を強制的に離脱させることができるということをお忘れなく。

ちなみに、「国籍留保」については国籍法の12条に書かれています。

第十二条 出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれたものは、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさかのぼつて日本の国籍を失う。

あと、日本の重国籍については大学教授や政府でも議論が続いていて、最近でも民間で他国籍を選択した日本人の方が違憲だとして裁判をやっていました。日本には数十万人の重国籍者がいるそうです。可能性は低そうですが、子供が20歳になる頃にはこのあたりの法改正も進んでいるかもしれません。

(それにしても法務省サイト、現状特に問題はないんだけどSSL/TLS証明書ちゃんと対応しろよな)

その他参考記事

台湾と日本で籍を入れるときの手順はこちら。





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