【マイナー映画紹介】ソーシャル・ネットワーク (と当時の自分)

映画





これもマイナーではないが、昔書いてたメモが見つかったので。

映画 ソーシャル・ネットワーク

映画の内容は、今はもう亡き古き良きFacebookが2004年にどのようにして生まれたか物語。実際にFacebookが生まれる以前にもSNSサービスは存在していたが、全人類が使う規模を目指すまで爆発的に流行り使われるサービスはなかった。

Facebookとその他SNSサービスのはしりの決定的な違いはその「クールさ」とマーケティングの違いであった。その「古き良きFacebookのクールさ」を物語全体に落とし込んだのがこの映画である。

自分のアメリカにいたとき2007-2008年くらいにアラバマでもちらほら”Facebook”という名前を聞くようになったときに登録して、よくパーティで会った新しい友だちに “Facebook me” とか言った/言われたことを覚えている。

大学時代に使っていたときのFacebookは青春そのもので、毎日友達とハングアウトしたときの写真をアップして公開し、その写真のコメント上で二次ハングアウトを楽しんだり、変な写真をアップロードしてわざと友達をタグ付けて遊んだりと最高に楽しかった覚えがある。が、今は卒業後人間関係が仕事や社会人としての人間関係になったのと、Facebookがあまりにもビジネス然とするので利用範囲が狭まり、そういった馬鹿な遊びはできず、この時代のFacebookのアクティブユーザーはロム専かほぼ全く使わない、という風になっているのではないだろうか。

2011年に観た時

現在Facebookが抱える問題や影響力や収集されるデータの価値と可能性には思いが至らず、2011年にこの映画を観る前と観た後には↓のような呑気な感想を書いていた。

(2011年1月11日)
日本でもうすぐSocial Networkが公開される。アメリカでは確か10月頃に公開されていたが、あの頃はBCF(Boston Career Forum)の準備でそれどころじゃなく見にいけなかったことが悔やまれる。

日本でこの映画のCMで主人公がIf you guys were the inventors of facebook, you’d have invented facebook.」って言う台詞で、その場面の字幕では、確か「僕がフェイスブックを創った」とか「誰がなんと言おうとフェイスブックは僕の命だ」みたいになってるから、あれ?と思った。

この映画は見てないから確信を持って言えないが、多分英語では少し間接的な皮肉な感じの台詞なんじゃないかなーと思うが、日本語では逆に直接的に「僕が創った」って翻訳してるから、ある意味面白いなーと思った次第です。

ぼくはfacebook userだからこれを見たらかなり面白く見れるだろうと思うけど、他の国と比べてそんなにfacebookを使う人がいない日本ではこれはヒットするのかな・・と思うのだが、どうだろう。使ってない人とかあっちの学生生活を知らなかったらあんまりピンと来ないのかも。見てみたい。でも日本は映画が高いからな。

(2011年16日 この映画見た後)
アメリカでは両親の離婚をfacebookで知った娘もいるfacebook。内定をもらっていたのに未成年の頃の飲酒の写真を見られて内定を取り消された人もいるfacebook。アメリカの大学生の生活の中心的存在になってるfacebook。

自分も2007年に渡米してアカウントを作って使い始めてから、Just find me on facebook. I’m a friend of 誰々…みたいな感じで新しい友達との交友の輪を広げてきたし、何より便利、世界中に散らばる友達といつでも簡単なコミュニケーションがとれる。

映画はとてもよかった。音楽で場を盛り上げながら、テンポ良くリズミカルに物語が進行していってた。映画としてだけでなく人を啓蒙してくれるような内容。

少し笑えたシーンはあるシーンがsouth park season 14のepisode 4のあるシーンと酷似してたこと。

south parkでスタンのガールフレンドのウェンディが “Am I a joke to you? A big joke? Is that all I am? You DO have a facebook page. relationship status, SINGLE? You better change your relationship status to “in a relationship!” とFacebookのスタンのrelationship statusを見つけて、これをいいながら駆け寄るシーンがあるのだが、これと同じようなシーンがsocial networkでもあることからやっぱり現実でも同じようなことがいっぱい起こってるんやろうな。

2019年の今感じること

当時の自分はこの映画を観たことでその後の人生が大きく変わることになる。当時卒業前で1セメスター(6ヶ月)分学校を休学して東京に行って卒業後何するかを考えていた多感な時期(2011年1月)に見てしまった。2010年に参加したボストンキャリアフォーラムの会場内である証券会社から内々定をもらい、金融専攻だしちょうどよい、卒業後の食いぶちは一応確保できたかなと思っていたが、自分がやりたいことってなんだろうかと模索していた頃だった。

その頃これを見て、行っていた就職活動をほとんど辞めて、一緒に見た友人と起業する話をしたりスタートアップでインターンとして仕事を始めたりした。既存の価値観に乗っかって生きていくより、自分と仲間で世界に影響を及ぼすような新しい価値を与えられる事業をできたほうが人生楽しいだろう、とぼんやりした方向性が少しずつ固まっていった状態だった。

そしてその後証券会社の内々定は辞退し就職活動も全てやめ、インターンとしての仕事に集中しだして、大学卒業から正社員として2018年に台湾に移るまで6-7年ほど身を置くことになる。

(ちなみに)日本語字幕に違和感を感じた箇所

ちなみに2011年の自分も書いているが、改めてこの予告編を見ていて字幕がおかしい箇所があったので挙げてみる。

“If you were the inventors of Facebook, you would’ve invented Facebook.”

これは意訳としては外していないと思うが、改善点がある気がした。「僕がFacebookを創った」とあり、これは伝えたいこととしては十分会っているのだが、「お前らがFacebookを創ったというのなら、どうして先に(ものとしての)Faceboookを創らなかったんだ」という微妙なニュアンス付きの意味で、ここでのマーク・ザッカーバーグはそんなに強く自己主張をするキャラクターではなかったからこの訳には違和感があった。

自分が短くわかりやすく訳するのであれば、「なんで君たちが先にFacebookを創らなかったんだ」「実際にFacebookを創ったのは君たちじゃない」とかだろうか。

“As for the charges, I think I deserve some recognition.”

「僕が自腹出払うよ、だから仕事を続けさせて」とあるが、多分ここでの字幕は映画前編を見ずのCM用の字幕を付けたのだろうなと思う。

これはマーク・ザッカーバーグがFace Mashを作って、大学のサーバーをダウンさせて大学の委員会に呼ばれる場面だが、その大学を混乱させて自分の責任について、自分がサーバーをダウンさせておかげで既存の大学のインフラの仕組みの駄目なところがわかったから “I deserve some recognition” (自分は良いことをした) と言っているところである。「悪いことしたけど、結果的にわかったこともあるから自分の行為を認めてもいいんじゃない」という意味である。

書き直すなら「今回の責任については、認められるところもあると思います」という感じか。

個人的おすすめ度 (星5つ中)
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ちなみにドイツ語で”Zuckerberg”さん の日本語の意味は「砂糖山」です。ザッカーバーグを演じている”Eisenberg”さん は「鉄山」さん。面白い。




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